最終更新:2026年8月26日
日本銀行の「通貨流通高」から、日本で流通する硬貨の額面金額がどう変化しているかを追跡します。年末比較の最新確定年である2025年12月の貨幣流通高は4兆6,343億円で、2020年12月の5兆527億円から8.3%減少しました。
最新到達年:本ページの年末比較は2025年までです。2026年は年途中のため、年末値が確定するまで同じ年次比較には接続しません。
ここでいう「流通高」は硬貨の枚数ではなく額面金額の合計です。したがって、キャッシュレス化と硬貨の使用頻度を直接同一視することはできませんが、現金決済を考えるうえで重要な基礎統計です。
2020年末と2025年末の比較
| 区分 | 2020年12月 | 2025年12月 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 貨幣流通高 | 5兆527億円 | 4兆6,343億円 | -8.3% |
| 500円 | 2兆5,024億円 | 2兆1,768億円 | -13.0% |
| 100円 | 1兆1,183億円 | 1兆698億円 | -4.3% |
| 50円 | 2,242億円 | 2,095億円 | -6.6% |
| 10円 | 1,947億円 | 1,858億円 | -4.6% |
| 5円 | 529億円 | 504億円 | -4.7% |
| 1円 | 375億円 | 364億円 | -2.9% |
変化率はOtakuwalletが日本銀行の各年12月末値から再計算。総額の変化率 = (46,343 ÷ 50,527 − 1) × 100 = -8.3%。金額は億円単位に丸めています。
なぜ6金種を足しても「貨幣流通高」にならないのか
2025年12月の500円・100円・50円・10円・5円・1円の掲載6金種を足すと3兆7,287億円です。一方、貨幣流通高の総額は4兆6,343億円で、差は9,056億円あります。
これは総額の誤りではありません。日本銀行の統計注釈では、貨幣流通高には記念貨を含むと明記されています。そのため、本ページで代表的な6金種だけを表示した表の合計と、貨幣流通高の総額は一致しません。総額は日本銀行公表値をそのまま使用し、6金種の合計から逆算していません。
2020-2025年の月次推移
| 年末 | 貨幣流通高 | 500円 | 100円 |
|---|---|---|---|
| 2020年12月 | 50,527億円 | 25,024億円 | 11,183億円 |
| 2021年12月 | 50,617億円 | 25,278億円 | 11,092億円 |
| 2022年12月 | 48,545億円 | 23,649億円 | 10,799億円 |
| 2023年12月 | 47,604億円 | 22,866億円 | 10,733億円 |
| 2024年12月 | 46,927億円 | 22,295億円 | 10,694億円 |
| 2025年12月 | 46,343億円 | 21,768億円 | 10,698億円 |
何が読み取れるか
2021年末までは貨幣流通高が約5兆円で推移していましたが、2022年以降は減少し、2025年末には4.63兆円まで低下しました。掲載6金種のうち、金額ベースでは500円貨の減少幅が最も大きく、2020年末比で13.0%減っています。
ただし、この減少を「キャッシュレス化だけが原因」と断定することはできません。貨幣流通高は、家計や店舗での決済需要だけでなく、金融機関の保有、金種交換、新貨発行などの影響も受けます。したがって本ページでは、キャッシュレス比率との因果関係ではなく、現金側で観測できる長期的な変化として扱います。
統計の定義
日本銀行の注釈によると、通貨流通高の貨幣には記念貨を含み、日本銀行保有分を除き、市中金融機関保有分を含みます。このため「消費者の財布にある硬貨だけ」を示す統計ではありません。
関連データ
キャッシュレス側の変化は日本のキャッシュレス決済比率の推移で追跡しています。両統計を別々に確認することで、デジタル決済の拡大と現金流通の変化を比較できます。
出典
本ページは日本銀行の年末値に合わせ、同じURLで継続更新します。

