日本のインターチェンジフィー(IRF)の推移|Visa・Mastercardの業種別標準料率

日本のインターチェンジフィーのVisa・Mastercard業種別標準料率の推移 決済・クレジットカード統計データ

最終確認:2026年9月5日|Mastercard最新版:2026年7月24日

日本では2022年11月から、Visa・Mastercardなど国際ブランドのクレジットカード標準インターチェンジフィー(IRF)が公開されています。本稿では、日本市場向けの公式公開料率と、公正取引委員会・経済産業省の公開資料だけを使って、料率・カテゴリー・カードグレードの変化を追います。

IRFは加盟店手数料そのものではありません。アクワイアラからイシュアへ支払われる標準的な手数料であり、実際の加盟店手数料にはネットワーク関連費用、アクワイアラのコスト・マージン、加盟店条件なども影響します。

最新の注目点:Mastercardは2026年7月版でTitan II列を追加

Mastercardの日本向け標準料率表は2026年7月24日版が最新です。7月版では、個人向けクレジットカードの公開料率表にTitan II列が新設されました。

Otakuwalletが保存した2026年5月版の数値スナップショットと7月24日版原本を全行照合したところ、固定額型B2Bを除く29の通常料率プログラムで、7月版Titan IIは5月版Titanと同じ料率でした。一方、7月版Titanは24プログラムで低下し、5プログラムで据え置きでした。

ここから確認できるのは、公開料率表上でTitanとTitan IIの列が分岐したという事実までです。Mastercardの公開資料からTitanとTitan IIの具体的な適用条件の違いは確認できていないため、「新しい料金階層の仕組み」「同じ取引が自動的に値下げされた」などとは解釈しません。

カテゴリー 5月Titan 7月Titan 7月Titan II Titan変化
日常利用-マルチプロダクト4 2.90% 1.00% 2.90% ▲190bp
日常利用-マルチプロダクト3 1.90% 1.00% 1.90% ▲90bp
交通系以外ウォレットTop-up 1.10% 0.50% 1.10% ▲60bp
レジャー2 2.90% 2.40% 2.90% ▲50bp
公共サービス5 1.20% 0.70% 1.20% ▲50bp
病院(大) 1.00% 0.70% 1.00% ▲30bp
鉄道 0.90% 0.70% 0.90% ▲20bp
航空会社 1.55% 1.50% 1.55% ▲5bp

bp=ベーシスポイント(1bp=0.01%ポイント)。上表は代表例。固定額型B2Bは除外。

IRF公開の背景

公正取引委員会と経済産業省は、加盟店とアクワイアラの価格交渉やアクワイアラ間の競争を促し、カード市場の透明性を高める観点から標準IRFの公開を進め、2022年11月30日にMastercard、UnionPay、Visaの標準料率公開を発表しました。

Visaの標準IRFも業種・カードグレードで異なる

Visa Japanも国内クレジット取引について業種・プログラムとカードグレード別の標準IRFを公開しています。B2B、公共サービス、公共料金、病院、旅行、航空、タクシー、家賃などで異なる料率が設定され、B2Bには固定額+従量料率のプログラムもあります。

Visaについては、公正取引委員会の2025年確約計画認定資料でも、業種別の標準料率に加え、一定条件を満たす場合に適用される優遇レートがあることが説明されています。したがって、公開されている標準率だけで実効IRFを説明することはできません。

Mastercardではカテゴリー定義も変わる

2025年11月から2026年5月にかけては料率だけでなくカテゴリー定義の変更も確認されています。例えば、登録されたバス・船のコンタクトレス取引が「鉄道」に含まれるようになり、ゲームセンターの位置づけも変更されました。

こうした変更は単純な料率比較だけでは捉えられないため、Otakuwalletではカテゴリー再編を系列ブレークとして別管理します。

過去版の証拠グレード

Mastercardの公式PDFは同じURL上で更新されることがあり、過去のURLパラメータが不変の原本を保証するわけではありません。このため、Otakuwalletでは証拠レベルを分けています。

  • 2026年7月24日版:Mastercard公式PDF原本をDriveに保存済み。
  • 2026年5月版・2025年11月版:確認時の数値スナップショットと公式ドメイン上の版情報を保存。比較には使用するが、不変な原本PDFが保存済みとは扱わない。
  • 2022年初期版など:原本未回収の期間は推測で補完しない。

IRF公開は加盟店交渉に使われているか

公正取引委員会の2025年事後検証では、IRFの存在を知っていた加盟店は14.7%、IRFを加盟店手数料の交渉材料として実際に使った加盟店は1.9%でした。IRF公開と加盟店手数料低下の因果関係は、この数字だけでは判断できません。

Otakuwalletの更新方針

今後も、公式資料の更新日、業種・プログラム名、カードグレード、料率、固定額、カテゴリー変更、適用条件、前回比を保存し、公式資料が更新されるたびにChange Logを更新します。確認できない適用条件や過去値は推測しません。

主な出典