日本のクレジットカード市場規模を示す代表的な公式指標は、日本クレジット協会(JCA)のクレジットカードショッピング信用供与額です。2025年は134兆5,861億円で、前年比15.1%増となりました。JCAはこの信用供与額を、日本国内における年次のクレジットカードショッピング市場規模を把握するための統計として公表しています。
ただし、この134.6兆円は消費者のクレジットカードショッピングを対象とする市場規模です。JCAのFAQによれば、法人カードの利用分、キャッシング、カードローンは含まれません。したがって、法人・B2Bを含む「日本のカード決済すべて」の総額とは区別して読む必要があります。
結論:2025年のカードショッピング市場規模は134.6兆円
| 指標 | 最新値 | 期間 | 定義・注意点 |
|---|---|---|---|
| カードショッピング信用供与額 | 134兆5,861億円 | 2025年 | JCA市場規模統計。消費者のカードショッピング。法人カード利用分・キャッシング等は含まない |
| 信用供与残高 | 23兆584億円 | 2025年12月末 | 12月末時点で消費者から返済されていないショッピング利用残高 |
| クレジットカード契約数 | 3億524万件 | 2025年12月末 | CIC加盟会員263社を対象。1契約で複数カードが発行される場合がある |
| クレジットカード発行枚数 | 3億2,057万枚 | 2025年3月末 | JCA発行枚数調査。家族カード・法人カードを含む。契約数とは別統計 |
| カード不正利用被害 | 510.5億円・0.038% | 2025年 | 年間被害額と、カードショッピング信用供与額に対する不正利用発生率 |
「市場規模」は何を指すのか
JCAの市場規模統計は、CIC加盟会員を対象に、当該年1月から12月までに日本国内のカード会社が発行したクレジットカードを利用して、消費者がクレジットカードショッピングを行った額を集計したものです。2025年の集計対象は263社で、信用供与額にはJCAが一部推計を加えています。
一方、月次のクレジットカード動態調査は主要26社を対象にした月次の動向把握のための統計です。JCA自身も、市場規模を確認する場合は年次の「クレジット関連統計(市場規模統計)」を利用するよう案内しています。
この134.6兆円に含まれないもの
- 法人カードの利用分 — 市場規模統計・月次動態調査ともに含まれません。
- キャッシング、カードローン — クレジットカードショッピング信用供与額には含まれません。
- 発行枚数と同じ母集団ではない — 発行枚数調査には家族カード・法人カードを含みます。
この違いは、法人カード市場やB2B決済を分析するときに特に重要です。134.6兆円をそのまま「法人利用まで含む日本のカード決済総額」と扱うことはできません。
決済額は2013年から3倍超に拡大
JCAの現在の市場規模統計では、クレジットカードショッピング信用供与額は2013年の41兆7,915億円から2025年の134兆5,861億円へ拡大しています。【Otakuwallet計算】12年間で約3.22倍、年平均成長率(CAGR)は約10.2%です。
長期推移の年別データとキャッシュレス決済に占める構成比は、専用ページ日本のクレジットカード決済額の推移|2025年134.6兆円で継続更新します。本ページは長期系列そのものではなく、市場規模の定義と周辺指標をまとめる柱ページとして役割を分けます。
JCAは2013年の集計方法見直しにより、2012年以前の旧統計との連続性はないと説明しています。
発行枚数と契約数はなぜ違うのか
クレジットカード発行枚数は2025年3月末で3億2,057万枚です。一方、市場規模統計のクレジットカード契約数は2025年12月末で3億524万件です。
契約数は「会員契約」の件数です。JCAは、家族カードなど1つの契約で複数枚のカードが発行される場合でも契約数は1件になると説明しています。また、発行枚数調査には法人カードも含まれるため、発行枚数と契約数を同じ系列として比較することはできません。
カード会社・業界構造を見る
カード会社を銀行系・信販系・商業系などの系統別に見る場合は、経済産業省統計を用いた銀行系・信販系のクレジットカード取扱高の推移で1994〜2024年を比較しています。個社の取扱高や歴史的な推計シェアはクレジットカード取扱高ランキングで整理しています。
これらの「取扱高」と、JCAの「クレジットカードショッピング信用供与額」は統計の目的・対象範囲が異なります。同じ「カード市場」の数字でも、比較前に定義を確認する必要があります。
市場拡大と同時に見る不正利用
2025年のクレジットカード不正利用被害額は510.5億円で、カードショッピング信用供与額に対する年間の不正利用発生率は0.038%でした。2024年の被害額555.0億円・発生率0.047%からは低下しています。
なお、2026年から四半期の不正利用調査は対象社数が40社から48社へ変わっています。最新四半期値と系列変更はクレジットカード不正利用被害額の推移で継続更新します。
キャッシュレス決済162.7兆円との関係
経済産業省が公表した2025年の国内キャッシュレス決済額は162.7兆円で、そのうちクレジットカードは134.6兆円、構成比82.7%でした。経産省の算出でもクレジットカード部分の基礎統計にはJCA統計が使われており、JCAの134兆5,861億円を兆円単位に丸めた水準と整合します。
つまり、JCAの134.6兆円と経産省の134.6兆円を別々の独立した市場推計として扱うのではなく、カード市場規模の基礎統計と、それをキャッシュレス全体の中に位置づけた政策指標として読み分けるのが適切です。キャッシュレス比率の分母変更は日本のキャッシュレス決済比率の推移で整理しています。
関連データ
- 日本のクレジットカード決済額の推移|2025年134.6兆円
- 日本のインターチェンジフィー(IRF)の推移 — カード決済の標準コスト構造を確認
- PayPay Unit Economics — 決済事業者のGMV・Take Rate・Cost Rateを見る
- 日本の決済・クレジットカード統計データ集【2026年版】
- クレジットカード発行枚数の推移
- 銀行系・信販系のクレジットカード取扱高の推移
- クレジットカード取扱高ランキング
- クレジットカード不正利用被害額の推移
- クレジットカード支払方式別の利用動向
- 日本のキャッシュレス決済比率の推移
出典
- 日本クレジット協会「日本のクレジット統計 2025年版」 — 2025年データ
- 日本クレジット協会「クレジットカードショッピング信用供与額・信用供与残高」
- 日本クレジット協会「クレジットカード契約数」
- 日本クレジット協会「クレジット関連統計 FAQ」 — 市場規模・法人カード・契約数等の定義確認
- 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

