日本におけるカードの不正利用被害について


日本において、偽造カードによる被害は、2003年から2004年にかけてピークを迎え、その後はICカード化に伴い減少傾向が続いた。しかし、2014年頃からECでの番号盗用被害が急増している。この状況について以下、解説する。

まず、偽造カードによる被害については、ICカード化が進んだことで、店舗での偽造カードによる被害が減少している。ICカードは、従来の磁気ストライプカードよりもセキュリティが高く、偽造することが困難になっている。また、ICカードを使った支払いでは、カード自体に暗号化された情報が記録されており、暗号化処理が行われた上で決済情報が送信されるため、安全性が高いとされている。

一方で、ECでの番号盗用被害であるが、これが急増している理由として、オンラインショッピングが増えたことが挙げられる。ECでの支払いでは、カード番号などの重要情報がネットワーク上でやりとりされるため、ネットワーク上での情報漏洩や、不正アクセスなどのリスクが存在する。

また、海外からの不正アクセスによって番号が盗まれるケースもある。海外での不正アクセスによって盗まれた番号が国内で不正利用されたとの報告もあった。国境を越えた犯罪としても顕在化してきている。

更に、近年はスマートフォン決済が普及しており、スマートフォンを巧妙に悪用する事件が多発している。例えば、偽の決済アプリをダウンロードさせ、カード番号などの情報を入力させる手口などが見受けられ、被害が急増している。対策としては、セキュリティに関する技術的な対策のほか、教育的な対策も必要である。

特に、電子マネーなどの普及によって、小額取引が増えた。ますます、キャッシュレスが浸透する中で、盗難や不正利用のリスク全般が高まっている。そのため、消費者側にもセキュリティの必要性を周知することが必要になるだろう。マルチファクター認証(二要素認証)などのセキュリティ技術の進歩や、人工知能を用いた異常検知技術の発展なども期待されており、これらを取り入れた機能の開発が進んでいる。

総じて、お金の伝達を行うシステムや手段は、どんどん進化し、利便性が向上していく一方で、その分技術的な不備が露呈することもある。現代社会においては、セキュリティリスクの管理がさらに重要になると言える。

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