民間企業が決済へのアクセスを無効化すること


決済事業者がウィキリークスの寄付処理を拒否したのは、ウィキリークスが機密情報を公開することによって、国際的な政治的な混乱を引き起こす可能性があると判断されたためだろう。その結果、法的な問題を引き起こすことになる可能性があったためだと考えられる。

いずれにしろ、決済事業者は自社を守るために寄付の処理を中止することを決めた。創設者であるアサンジやウィキリークスについてどう思うにせよ、彼はこの時点では犯罪を告発されただけであった。司法手続きも実際にはおこなわれていなかった。それにもかかわらず、民間企業は彼の決済へのアクセスを無効化することを選んだ。

この決断についてどう考えるべきなのだろうか。決済は、現代社会において商品やサービスを取引する上で不可欠な存在である。クレジットカードや電子マネーなど、様々な決済手段があり、スムーズな取引が行われることで、個人や企業の経済活動が効率的に進められる社会基盤となっている。

そうした中、決済事業者が特定の意見を支援する動きについて、その決済をストップすることが頻繁に、また恣意的に起こると、言論の自由が損なわれるのではないかと考えられる。例えば、政治的なイベントに対する資金提供を決済事業者が拒否する場合、その政治的意見に対して検閲を行っているように見える場合もあるだろう。

このような問題は、個人や企業が自由に意見を表明する権利と、決済事業者のビジネス判断をバランスよく調整することによって解決する必要がある。決済事業者は、一方的に検閲を行うことはせず、公正かつ透明な基準に従って取り扱いを決定することが必要だろう。ただし、基準を設けること自体が、社会が抱える諸問題に対して開かれた議論ができる環境を確保することと矛盾しないのか。そうした議論もあわせて大切である。

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